2011年6月15日水曜日

たんぽぽ舎より 地震と原発事故情報その93

      ◆ 地震と原発事故情報 その93 ◆

         5つの情報をお知らせします(6月13日)

 ★1.『6・11原発やめろ新宿パレードに1万人、
     アルタ前に2万人』
 ★2.『福島原発事故に関する公開質疑』
     -いのちを守る避難対策を-
 ★3.『東電、20年間放置 人災だ』-産経新聞
 ★4.『読者から
     ドイツのイゾルデさんのこと。福島事故をドイツ人へ紹介』
 ★5.『これでいいのか福島原発事故報道』本の紹介




★1.「6・11原発やめろ新宿パレードに1万人、アルタ前に2万人」

・天は、6・11原発やめろ全国100万人アクションに味方しました。午前中ま
で降り注いだ雨も、人々が思い思いのコスチュームとオブジェ、プラカードを手
に続々と新宿中央公園(多目的運動広場)に集まり始めた午後2時ごろには、すっ
きりと上がりました。第1関門クリア。たんぽぽ舎はこの日のために新宿で3千
枚、芝公園で2千500枚、さらに横浜に参加するメンバーのチラシを用意しまし
た。中央公園では、2人の方から、「たんぽぽ舎ビラ配り」を手伝うと声を掛け
て頂き、あっという間に終了。あらためて、有難うございます!
 にぎやかな舞台で「ダ!ダ!脱原発!」の生サウンドも聞けちゃいました。い
よいよ出発です。気が付けば、隊列もなく、いわゆる「デモ指揮」(隊列や、デ
モの進行の責任者)も見当たらない。そうか、新宿は横入りも、飛び入りもOK
の、「パレードね」と、思った瞬間でした。たんぽぽ舎は、Hさんが「歩く原発
ミニ講座」を連発しながらの、楽しい2時間半のパレードとなりました。「ええ
~毎度ばかばかしいお話を・・」で始まるパレード講座は、昔「淀橋浄水場」だ
った現都庁前の、「ここが70年代、広瀬隆さんが『東京に原発を!』と声を上
げたところです~。こんな立派な建物が建つんなら、ぜひ原発はここにもってき
ましょうね!」と、東京「名所」案内に始まり、「原発なくても電気は足りてる」
、「2酸化炭素と放射能はどっちがこわい?」「放射能を浴びるってどういうこ
と?」と、盛りだくさん!その分かりやすさに、沿道の人々は、うなずいて聞い
ていました。
 「自分で考えましょう!動きましょう!そういう人数が増えれば政治家はウソ
がつけなくなる!」Hさん!ありがとう。初めてで、新鮮なパレード体験をさせ
てもらいました。このほかに、飛び入りの買い物帰りの女性が演説。本物の源八
おじさんも歩いていたよ。こうして、力強くも和やかな中に、2時間半の道のり
を無事に歩きとおしました。
・この他に、芝公園に6000人、渋谷には1500人が集まり、午後6時からのアルタ
前は、人・人・人で埋め尽くされました。
 柳田さんがマイクでアピールをした他、たんぽぽ舎が横断幕を張っている様子
が、TBSに生中継されました。
6・11デモが掲載されたのは、朝日、毎日、東京新聞。テレビでは、NHK
(首都圏で2500人という過小人数の報道に、抗議しましょう!)の他、TBS。
(春美)

NHKに抗議しよう!公共放送の責任を果たせ!
NHKのふれあいコールセンターの番号です。
0570-066-066   050-3786-5000
http://www.nhk.or.jp/css/goiken/call_center.html
メールでの問い合せはこちら、
http://www.nhk.or.jp/css/goiken/mail.html

・読者からのメール
たんぽぽ舎の方々へ
長い間に亘り、地道な活動を続けて頂き、有難うございます。
益々これから、その存在の価値を問われる時期に差し掛かりましたね。
本夕の新宿アルタ前での柳田さんのスピーチは良かったですよ。
何としても、この勢いを持続させて、原発依存態勢から抜け出さねば
ならないと、つくずく思います。
さもなければ、明日の私たちの命が危ういのですから・・(西東京市Tさん)


★2.「福島原発事故に関する公開質疑」
    -いのちを守る避難対策を-

・6月13日(月)衆議院第一議員会館多目的ホールで第2回福島原発事故に関する
公開質疑-いのちを守る避難対策を-がひらかれました。
出席者は、約140人。内訳は、市民120人、議員3人-服部(社民党)、稲見(民主党)
、平山(民主党)、専門家3人-槌田敦、崎山比早子、ミシェル(仏国)。政府側11
人-経産省、内閣府、文科省、原子力安全委員会。
・テーマ-質問書の要旨
周辺住民の放射線防護対策について回答されたい。
(1)現行の避難計画では、年間外部被曝線量が20mSv以下と予測される区域の住
民の大部分は避難せずに自宅に留まることになるが、このような環境で生涯被曝
し続けても安全と考えるか。
(2)少なくとも10mSv/年を超える地域については早急に避難させるべきではない
か。
(3)少なくとも1~3号機がメルトダウンし、圧力容器や格納容器の破損も明ら
かになった。原子炉をコントロールし事故を収束させる展望は見えず、情報への
不信も強まっている。大規模な余震による燃料プールの崩落が危惧されるばかり
か、水素爆発等の可能性も消えてはいない。もし今後、新たに大量の放射能放出
が起きた場合に備えて、
イ.広域避難などの計画はどの部署がどのように準備・策定しているのか。
ロ.大気中の放射性ガス、粉塵(クリプトン85、キセノン133、ヨウ素13
1を含む)の検出・測定体制はどのようになっているのか。
(4)SPEEDI(およびWSPEEDI)について
イ.水素爆発等による大量の放射能放出が起きた際に、SPEEDI(およびWSPEEDI)
の情報開示を行わなかったのは、誰のどのような判断によるものか。
ロ.SPEEDI(およびWSPEEDI)の予測結果は、これまでのような事後でなく、本来
の目的である予報として、すべての自治体と住民に向けて公表するか。
(5)国が求める水産物の検査項目にストロンチウム90の検査が入っていないの
はなぜか。当然測定すべきであり、国として体制を整えるべきと考えるがどうか。
右質問する。
・回答の要旨、評価は事務局から報告が近日出されますので、改めてお知らせし
ます。(柳田)


★3.「東電、20年間放置 人災だ」―産経新聞

   1933~99年に国際原子力機関(IAEA)の事務次長を務めたスイスの原子力
工学専門家ブルーノ・ぺロード氏が産経新聞のインタヴューに応じ、福島第一原
子力発電所事故について「東京電力は少なくとも20年前に電源や水源の多様化、
原子炉格納容器と建屋の強化、水素爆発を防ぐための水素再結合器の設置などを
助言されていたのに耳を貸さなかった」と述べ、「天災というより東電が招いた
人災だ」と批判した。
  日本政府は7日、事故に関する調査報告書をIAEAに提出、防止策の強化
を列挙したが、氏の証言で主要な防止策は20年前に指摘されていたことが判明し
東電の不作為が改めて浮き彫りになった。
  氏は「事故後の対応より事故前に東電が対策を怠ってきたことが深刻だ」
述べ、福島第一原発が運転していた米ゼネラル・エレクトリック(GE)製の沸騰
水型原子炉マーク1型については、1970年代から水素ガス爆発の危険性が議論さ
れていたと指摘した。
  しかし、東日本大震災で東電が送電線用の溝を設けるなど基本的な津波対策
を怠っていたことが判明。氏は「臨時の送電線を敷いて原発への電力供給を回復
するまでに1週間以上を要した事はとても理解できない」と指摘し、「チェルノ
ブイリ原発事故はソ連型事故だったが、福島原発事故は世界に目を向けなかった
東電の尊大さが招いた東電型事故だ」と言い切った。(産経新聞6月12日抜粋)


★4.読者のお便りから
   「ドイツのイゾルデさんのこと。福島事故をドイツ人へ紹介」

こんばんは。つい先ほど、夫からたんぽぽ舎からのメールにドイツのイゾルデさ
ん(かつて東京在住)のメッセージがあったと聞いてビックリ。振り返れば、十年
ほど前に早稲田大学での広瀬隆さんの講演会に参加した折、広瀬さんから囲炉裏
端会議をご紹介頂き、通い始めました。イゾルデさんを誘って二人で何度も参加
したのですが、まさか今、私たちが直面しているような事態が起こるとは夢にも
思っていなかった訳です。(情けない限りです。)
3・11後、日本のメディアがどうしようもないので、こちらの状況や広瀬さんの
福島原発に関する文章をイゾルデに送り、翻訳して現地で流してもらいました。
今ではドイツの方が私たちの何十歩も先を歩いてしまっています。一方、私の周
りでは、これまで『原発』や『平和』に興味を持っていなかった普通の友人たち
も勉強を始め、声を上げ始めていることを心強く感じています!
柳田さん、またお会いしましょう。そしてスタッフの皆さま、これからもどうぞ
よろしくお願いいたします。鎌倉市 麻里


★5.本の紹介「これでいいのか福島原発事故報道」
                    (丸山重威編著、あけび書房)

 3月11日、M9の大地震による東電第一原発の大事故は、3カ月を過ぎても
収まらず、依然として危険な状態が続いている。この事故の責任はどこにあるの
か?
 米国の戦略の下、「バラ色の原子力エネルギー」を宣伝し、カネと権力で異論
を押しつぶしてきた政・官・財・学・マスコミのペンタゴン。その構造と「メデ
ィアが伝えなかったもの」を告発した専門家とジャーナリストによる緊急出版だ。
 そこでは、何度も炉心溶融が想定されていたことや、低線量被曝の危険性、労
働者の被曝、各地の運動などがきちんと報道されてこなかったことを告発。博覧
会や社説まで「安全」の世論づくりの仕組みを、歴史的にたどり、最近まで具体
的に明らかにしている。
 浜岡原発を止め、エネルギー計画見直しを公言した菅首相を引きずり降ろし原
発推進路線を突っ走ろうと政財界が懸命ないま、「原発やめよう」の議論を広げ
る参考書に最適だ。

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