2011年7月17日日曜日

たんぽぽ舎より 地震と原発事故情報その121

      ◆ 地震と原発事故情報 その121 ◆
          3つの情報をお知らせします(7月16日)

  ★1.「なんちゃって脱原発」にご用心!―源八おじさんより
  ★2.菅首相記者会見(脱原発)を評価したい
              メールマガジン読者 長尾高弘
  ★3.子どもを放射能から守ろう、7月17~18日のお誘い


★1.「なんちゃって脱原発」にご用心!―源八おじさんより

 聞くところによると、国民の8割ほどが脱原発を支持しているとか…。
最近は、かつて推進派だった政治家たちも、脱原発を語りはじめました。
だったら原発を止めてもよさそうなのに、なぜ原発は止まらないのでしょうか?
それは、「なんちゃって脱原発」のせいなのです。
原発推進派の政治家にとって、世論が「脱原発」に傾いている以上、真っ向から
原発推進はできません。
とりあえず「脱原発」のフリをして、支持を得ようとしているのです。
彼らの言い分はこうです。「長期的には脱原発が望ましい」
「しかし、すぐ原発を止めると電力不足になる」
「自然エネルギーで代替するにはコストと時間がかかる」
「それまでは原発を併用しつつ、段階的に…」という論法です。
こういうことを言っている政治家は、「なんちゃって脱原発」です。
だって、原発はなくても充分電気は足りているのだから、自然エネルギーの代替
を待つ必要はありません。
即刻原発を停止しても、何の問題もないはずです。
「なんちゃって脱原発」政治家の真の目的は原発の延命です。
時期が来たら「脱原発?そんなこと言ったっけ?」と開き直り、「やはり原発し
かない」と推進するのは目に見えています。
 今、国民は、政治家の言う「脱原発」が、本当の「脱原発」か、「なんちゃっ
て脱原発」かを見極めなくてはなりません。
さて、菅直人首相の言う「脱原発」は本物でしょうか?
それとも「なんちゃって脱原発」でしょうか?
それは私にはわかりません。
ただ、経済界や民主党内部が「菅降ろし」をしている現状を見ると、菅首相は彼
らが嫌がることをしようとしているのだなとは思います。


★2.菅首相記者会見(脱原発)を評価したい
              メールマガジン読者 長尾高弘
たんぽぽ舎様
 いつもメールマガジンをありがとうございます。このペースでこれだけ内容の
充実したメールマガジンを作るのは大変なことと思います。本当に感謝していま
す。
 今日は2つ届きました。ただ、強いて言うと、昨日の首相記者会見
http://www.kantei.go.jp/jp/kan /statement/201107/13kaiken.html)につい
ての評価が載っていないのは残念に思いました。
 確かに記者会見の前半にはおやと思うところがあります。しかし、エネルギー
政策についての考え方を言い出したあたりからは、無視できない内容を持ってい
たと思います。首相は、3月11日以前は「安全性を確認しながら活用していく」
という立場だったところ、実際の被害、事故収束の難しさを感じて、「原子力事
故のリスクの大きさということを考えたときに、これまで考えていた安全確保と
いう考え方だけではもはや律することができない。 そうした技術であるという
ことを痛感をいたしました」というのです。これは、原子力という技術は根本的
にダメだという判断に至ったと読むことができると思います。その上で、「これ
からの日本の原子力政策として、原発に依存しない社会を目指すべきと考えるに
至りました。つまり計画的、段階的 に原発依存度を下げ、将来は原発がなくて
もきちんとやっていける社会を実現していく」と言っています。これは、「脱原
発依存」と報道されています が、「脱原発」だと思います。
 さらに、電力の安定供給は政府の責務だが、「この夏においてもピーク時の節
電、あるいは自家発電の活用などによって十分対応できると考えております」と
言っています。少なくとも、マスコミが言うほど電力不足だとは思っていないわ
けです。確かに、質疑応答では、4人(菅、枝野、海江田、細野)で合意すれば
稼働もあり得ると言っていますが、海江田や枝野の言動とは異なり、まず稼働あ
りきではないという姿勢を私は感じます。
 確かに言葉だけかもしれません。その言葉にも不十分なところがあります。し
かし、最後に浜岡を止め、玄海を止めたのは、「唐突な」と表現されている菅首
相の介入があったからです(もちろん、そこに至る運動の力がなければ何も始ま
りませんでしたが)。
 ネットでは、実際に2つの原発を止めてきたという菅首相の行動と、今回記者
会見の言葉から、菅首相を高く評価する声が多数あります。首相のまわりには、
原発を動かしたくてうずうずしている人間しかいません。細野氏については私は
まだよくわかりませんが、枝野、海江田はまちがいなくそうです。民主党にも、
昨日、首相に退陣を求めた長島昭久ら11名の議員のような推進派が多数います。
そして、菅首相の表明(確かに突っ込みどころは多 数ありますが)を予定調和
的に批判しつくすマスコミ。自公、経産省は言うまでもありません。彼らは、浜
岡、玄海と原発を止めてきた菅首相を憎んでいますから、個人攻撃によって彼を
引きずり下ろすことだけを考えているように見えます。
 市民運動が首相を支持するなんて、2、30年前にはとても考えられないことで
した。しかし、今は脱原発を本当に実現するめったにないチャンスであり、しか
も推進派が総攻撃に出てきているので脱原発が潰される危険も十分にあるという
微妙なタイミングだと思います。とにかく、今は菅首相を守って、また「唐突に」
原発を止めさせるべきときだと思います。たんぽぽ舎メールマガジンでそういう
記事を見たい、と言ったら図々しいでしょう か。
 もちろん、菅首相をそう簡単に信用することはできません。昨日も記者からの
質問で話題になりましたが、大飯、泊が次の焦点になるかと思います。この夏の
電力供給が十分対応でき、原発が安全確保という考えでは律することのできない
ものであれば、新たに原発を動かす必要はないはずですから、ストレステスト以
前に稼働に入れる必要はないはずです。また、ストレステストについても、3.11
を踏まえての話ですから、事故前のフクイチを不合格にできるものでなければ、
テストとして無意味だということになるはずです。たとえば、設計条件が4気圧
の格納容器は、8気圧になることが現にあるわけですから、テストをする前に書
類選考でアウトです。こういったことを強く押し出して歯止めをかけながら、菅
首相の基本方針を支持するというのが正しい方向かと思います。
 まじめに脱原発を考えている人でも、菅首相の会見での発言を支持しない人も
もちろん多数いますし、それぞれの理由にはもっともなところもあります。しか
し、今の力関係を考えるなら、こちらに歩み寄りたがっている菅首相を討ち死に
させるのはもったいないと思います。古くから運動を支えてきたたんぽぽ舎の皆
様のような方々に、首相が記者会見で言ったことには見所があると言っていただ
ければ、改めて考える人も出てくると思います。
 もちろん、たんぽぽ舎の皆様は、私のようには考えないかもしれません。その
場合でも、この国の首相が初めて脱原発を口にしたのですから、何らかの評価を
していただければと思います。長々と失礼いたしました。よろしくお願いいたし
ます。 (Twitter: nyagao_longtail)


★3.子どもを放射能から守ろう、7月17~18日のお誘い

 日 時:7月17~18日10:00~17:00 福島テルサ 入場両日無料
 主 催:子供を放射能から守る福島ネットワーク
     連絡先090-3923-6453(小林)
 共 催:市民放射能測定所、福島子どもの命を守る会 024-523-5238
    (社)命、地球、平和産業協会 連絡先080-3175-9992(渡辺)
 7月17日(日)10:00~12:00
   生活村・避難、保養最新情報 ・知識普及(緊急署名、政府交渉要望集開示)
    ・お母さん発信村 ・食の癒し ・食品測定(要予約09061930331)
     ・子ども特区 ・シニアカフェ ・ママカフェ
  第3回 子ども健康相談(医師5名) 12:30~13:30
     提言 山田真医師、黒部信一医師 「命を守るためにできること」
      13:30~15:15
     講演 広河隆一氏「チェルノブイリを生き残るために何をしてきたか」
      15:30~16:00 コメント 高橋哲哉氏
               「福島で生まれ、育った私が今、思うこと、伝えたいこと」
      16:00~17:00 対談 広河隆一氏&高橋哲哉氏
     (18:00~21:00 市民放射能測定所開所式、パーティ
                       於:市民放射能測定所)
 7月18日(月、海の日)
      10:00~12:00  講演 柴野徹夫氏
           「福島の子供たちを被曝から守ろう!国・東電は、救済を
             具体的に実現せよ」
      13:00~15:30 小さな映画村
            「隠された被曝労働~日本の原発労働者」
            「チェルノブイリの真実~通い続けた10年間、生命の映像記録」
            「子どもたちを守れ!福島の闘い」
      15:40~16:30 避難・保養相談会
                                                        (東京、O子)

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