2011年5月17日火曜日

東電前アクション東京電力向け申し入れ書一覧

東電前アクション!として東京電力に対して行ってきた申し入れ書のやり取りをまとめました。

各詳細記事と合わせてご覧下さい。


★3月30日(水)第一回申し入れ書提出 詳細

2011年3月30日
東京電力株式会社 取締役会長 勝俣恒久 様
東京電力株式会社 社長 清水正考 様
抗議・申し入れ書 
3月11日の東北関東大震災による福島原発の大事故により大きな被害が広がっています。私はこれを東京電力と歴代の日本政府による明確な「人災」だと考え、東京電力に抗議と要請をします。

まず、多数の住民や学者や市民運動が原子力発電所の危険性を東京電力に対して訴えても、東京電力はそれを無視し続け、「原子力は安全だ」とアピールし続けてきました。しかし地震・津波大国の日本では過去にも東北地方に今回と同レベルの津波が押し寄せており、「想定外」はありえません。そもそも起こりうる全ての危険性を「想定」できない専門家や電力会社は自らの社会的責任を放棄しています。
次に事故後も東京電力は福島原発をすぐに廃炉にする方針を出さず、対応が後手に回りました。廃炉を前提にもっと早く動いていればここまでの被害拡大は避けられたはずです。それは原子力推進政策の見直しをしたくない東京電力が、自らの失敗の責任をごまかすため、他の地域の原発見直しを恐れたために発表を控え続けているとしか思えません。
私は福島原発に最も近い双葉町、南相馬の住民が避難した埼玉スーパーアリーナへ 聞き取りに行きました。住民は強い疲れ、不安、怒りを持っていました。当然です。着の身着のまま他県へ避難させられ、「家には帰るな、仕事ももう出来な い」と言われ、避難場所も勝手に決められる。子どもやお年寄りの健康も不安だし、残してきた大切な家や動物をとても気にしています。福島ではついに有機農業家が自殺しました。誰もが仕事も生活も全く先が見えない状態ですし、東電や政府からの保証についても何ら明確で十分な方針が出されていない。そうした全てに対して最も責任があるのは、原発を建設・推進してきた東京電力です。
そして東京や日本各地でも放射性物質が広がり、外出時、雨天時、移動時、食べる物、飲む物と生活の全てに被害が出ています。目に見えない放射性物質は絶え間ない不安を生み出します。私たち1人ひとりも東京電力から大きな被害を受けたのです。
私は怒りを込めて、以下に要求し、東京電力からの回答を求めます。

  1. 東京電力は管理する全ての原子力発電所を今すぐ停止すること。
  2. 東京電力の現会長と現社長が、避難住民の前で、テレビの前で、私たちの申し入れ行動の前で、謝罪すること。
  3. 福島原発を廃炉にすることを今すぐ公表すること。
  4. 人の命を犠牲にする原子力ビジネスから撤退し、全ての建設計画を廃案にすること。
  5. 東京電力の全ての内部留保の資産を、福島原発から避難してきた人々や他地域の原子力被災者への生活補償、雇用保障、健康補償にまわすこと。
4月8日(金)までに文書にて回答を用意して下さい。直接受け取りに行きます。
園良太
 ★4月8日(金)第一回回答受取 詳細

平成23年4月8日
園良太 様
福島第一原子力発電所における事故、および、放射性物質の漏えいにより、
発電所の周辺地域の皆さまをはじめ、県民の皆さま、さらに広く社会の皆さまに
大変なご心配とご迷惑をおかけし、心より深くお詫び申し上げます。
現在、政府・関係省庁、自治体のご支援とご協力を仰ぎながら、緊密に連携を
はかりつつ、事態の一日も早い収拾に向けて、全力を挙げて懸命に取り組んでおります。
こうした状況にあるため、お申し入れに対する個別の回答は、ご容赦いただきた
いと存じますが、現在の会社の方針について、別添のとおり回答させていただきます。
扱い:広報部原子力センター
以上

■別添の回答

平成23年4月
東京電力株式会社
このたびの大震災により、被災された方々に哀心よりお見舞いを申し上げます。また、当社福島第一原子力発電所の建屋の爆発や、放射性物質の外部への放出という重大な事故、これによる大気や水質への拡散や作物・飲料水への影響の拡大など、広く社会の皆さまに、大変なご不安、ご心配とご迷惑をおかけしておりますことに対し、深くお詫び申し上げます。
特に、発電所を立地させて頂いております大熊町、双葉町、富岡町、楢葉町の皆さま、周辺にお住まいの皆さまには、この度の大地震とその余震へのご不安に加え、放射性物質の放出により、長距離の移動を伴う避難や、屋内退避、あるいは避難所生活など大変過酷な状況を強いるこよになり、心身両面で大変なご苦労とご不便をおかけしていることにつきまして、重ねてお詫び申し上げます。
福島第一原子力発電所につきましては、今なお、残留熱の除去など最終冷却を実現できない状況にあり、こうした中、当社は、政府・関係省庁、自治体、自衛隊、消防、警察の皆さまなど。多方面の方々からのご支援とご協力を仰ぎながら、事故の拡大防止、事態の収束に向け、全力を挙げて取り組んでいるところです。
今回の事故は、このたびの大震災に起因するものですが、放射性物質の放出によって生じた様々な原子力災害に対しましては、国の支援を頂きながら、原子力損害賠償制度に基づき、誠意をもって補償に向けた準備を進めております。
当社といたしましては、引き続き、政府、自治体と緊密に連携をはかりつつ、これ以上の事態の悪化を防ぐととともに、事態の収束に向けて、全力を傾けてまいる所存です。

以上

 ★5月14日(土)第二回申し入れ書提出 詳細


2011514
株式会社 東京電力
取締役会長 勝俣恒久 殿
社長    清水正孝 殿

東電前アクション!
参加者一同
申 入 書

私たち「東電前アクション!」一同が2011330日、貴社に対して提出した申入書の回答として貴社は同年48日付で「回答書」を送ってきました。しかしながら、私たちはとてもこれでは納得できません。私たちの要求は、単に福島第一原子力発電所での人災のみだけでなく、貴社に対してすべての原子力発電所が福島第一同様の事故を引き起こす可能性をはらんでいることを鑑み、貴社が真摯に検討し具体的な対策を立てて広く公開していくことを求めてきました。その具体的な説明が何もありませんでした。
もとより、私たちは貴社が危険な原子力発電から脱し新たな電力供給開発に転換するように貴社の管理するすべての原子力発電所を停止・廃炉にしていく方向で検討することを今後とも強く要求していきます。たとえ貴社の役員たちが何度頭を下げても、これ以上私たちの日常を不安と困窮に貶める放射線による実害がなくなることはないのです。放射線による実害をもうこれ以上出さないためにも原子力発電は廃止するしかありません。 
貴社は「回答書」において、このたびの福島第一原発の事故原因を「大震災に起因するもの」などと述べています。ところが、すでに国際社会はこの事故を明らかに人為的な操作ミスであると認識しています。なぜなら、震災直後の冷却システムがダウンした際に、対処の判断責任を現場の状況を知らない東電本社サイドが握っていたことで対応の遅れが事態をよりいっそう最悪な結果に導いてしまったと、すでにメディアの取材によって関係者らの証言が公開されているからです。さらに、最初に水素ガス爆発を起こした2号機原子炉の発電機は、実は震災前の2010617日にも不調が起きていたことが判っています。このとき、非常用発電機に切り替える作業に手間取って炉内の水位が2メートルも下がり、危うく大事故になる直前で発電機が作動して水位回復したことがありました。これなどは、普段から「マニュアル操作法」しか知らず、非常用発電機の操作方法に慣れていない下請け労働者だけに任せていたからです。このような実態から考察するに、福島第一で相次いで原子炉建屋が爆発した事故は人災であるという事実は誰の目からも拭い去ることは出来ません。事故の原因はけして「大震災に起因するもの」などではないのです。
また、百歩譲ったとしても本来危険物質を扱う原子力発電施設を日本列島という世界的に観て地盤の不安定な地域に建設するなど、そのリスクの問題を貴社が隠蔽してきたことは大罪に値します。貴社のみならず日本政府にも重大な責任があります。福島第一だけではありません。2007年の中越沖地震で放射線漏れを起こした柏崎刈谷原発はもっとも不安定な地盤である活断層の上に施設が建てられているなど、その立地状況を電力会社がアセスメントに事実を偽るように隠蔽工作をして建設に着工してきました。 
貴社は、このような実態を隠匿して責任をひたすら回避し、近隣住民のみならず世界の人々を「原発は安全」の虚構をでっち上げて騙し続けてきました。すでに現時点に至っては、貴社の社会的信用はもはや地に堕ちたと言えます。放射線被害で住み慣れた地域を追い出され、家を失い、職を失った人々への補償に一世帯わずか百万円で、とくに身寄りのない独り暮らしの病人や老人は、この先どうやって生活を立て直せというのでしょうか。 
貴社は、その持てる資産のすべてを売却してでも原発事故の害を被った人々に償う責任があります。私たちは、そのことを強く強く要求します。 
そして、貴社で働いてきた正規・非正規の労働者を大量リストラして人件費削減で賠償に対処しようとする方針には、私たちは反対します。とくに福島第一の最前線の現場で被爆の危険を顧みず職務に挺身してきた職員・下請け労働者たちには賃金手当てや労災に格別な配慮をして頂くことを要求します。貴社の部長職以上の役員らは率先して個人資産を投じてでも自社の労働者たちへ賃金補償を行うべきです。社会的信用を失った貴社がこの先どのような形で存続するにしても「電力を売る会社」として再生するのなら、危険な原子力エネルギーに頼らず、代替エネルギーへの転換方針を明確に打ち出していくことが社会的信用を回復する唯一の道です。当面は代替発電を火力・水力発電で補うしかないでしょう。現在、整備調整中の火力発電を随時稼動させることは、貴社であればさほど難しくないはずです。私たちは、原発を停止して火力発電に切り替えることを要求します。  
また、これまで長年東電側の歩道で行っていた抗議行動も、事故後は東電と警察によって阻止されるようになりました。東電側の歩道へ渡ろうとするだけで警察官が大勢で囲んで行く手をふさいだり、羽交い絞めにして引きずり戻したりしたため、仕方なく東電の向かい側の歩道で行っています。そして東電へ申し入れ書を渡す行動でも、東電は警察と口裏を合わせて「何人集まっても東電入口には5人しか行かせない」と言い続け、警察を使って阻止し続けています。東電担当者の総務課の山下氏は「受け取るか受け取らないかは自分達が決める、受け取る義務は無い」「5人にするのは、他の参加者が罵倒しかしないからだ」「原発事故は天災だ、こっちだって苦労している」などと許されざる暴言を吐いてきました。そして警察は法的根拠がなければ動いてはいけないのに、問いただしても一切答えません。そして東電担当者も警察も「警察が言ってるから」「東電が言ってるから」などと醜い責任のなすりつけ合いを行っています。東電と政府の対策本部は、メディアの前では「謝罪」や「責任ある対策」を口にしながら、現場では市民を暴力的に排除しています。後者が本音である事は明確です。大量の警察官の配備は、市民の表現の自由を侵害し、税金の無駄遣いでしかありません。 
最後に提案です。貴社の電力会社として培ってきた技術的なノウハウは熟練労働者が在ってこその賜物です。その労働力を解雇し路頭に迷わすことになれば、この国のエネルギー産業にとって重大な損失となるでしょう。貴社が、もしすべての資産をなげうって賠償責任を全うし、原子力産業から手を引いて、尚且つ労働力の維持を講じるのであれば、私たちも貴社を積極的に支援していく所存です。広く世界の人々に脱原発の代替エネルギー発電を推進して協力を求めていきます。そして、株主にとらわれず株式法人ではない、労働者の労働者による労働者のための協同法人として再生する「もうひとつの経営方式」も可能なのです。 
要 求 項 目

  1. 貴社は、すみやかに福島第一原発の事故を人災であると認めるとともに、過去の事故や不祥事の説明責任を全うすること
  2. 原子力発電に頼らない代替エネルギーへの転換を明確に表明すること。貴社が現在、できることは原発を段階的に停止して、代替発電を火力発電等で補うことである。整備調整中の火力発電所を随時、稼動させていくこと
  3. そのために必要な労働者の雇用枠は堅持すること。原発で働いていた労働者も希望者は、若年、熟年ともに働ける人材育成の場として雇用し貴重な労働力を温存すること
この申入書への回答は、2011530日(月)までとします。その前後に直接貴社へ受取りに赴きます。
 連 絡 先



「東電前アクション!」
                                 toudenmae.action@gmail.com

以上
         

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