◆ 地震と原発事故情報 その69 ◆
2つの情報をお知らせします(5月15日)
★1「原発は憲法違反である」 大河原礼三
★2 話ははっきりさせなければならない。(被曝線量その3)
山崎 久隆
★1「原発は憲法違反である」 大河原礼三
▲憲法前文は「恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利」
いるが、
権を侵害する。
▲憲法は13条で「生命、
22条で「居住の自由」を保障し、25条で「
し「公衆衛生の向上と増進」を目指しているが、
康を破壊し、飲食物の摂取を危険にし、
住民を転居させるなど、
しく侵害する。
▲憲法18条は「何人も、その意に反する苦役に服させられない」
いるが、原発作業員は、日常的に放射能の危険に曝され、
の犠牲者にさせられるのであるから、
反する苦役」である。
▲憲法21条は「表現の自由」を保障し、23条は「学問の自由」
いるが、国の原発政策は、原発に批判的な意見の表明を抑圧し、
を抑圧してこれらの自由権を侵害し、国民の「知る権利」
▲憲法98条は「
誠実に遵守することを必要とする」と規定しているが、
物を海洋投棄したことは、
■
法違反を不可避的に引き起こす制御不可能な危険物・
かになったのであるから、
(2011.4.17)
編集部から:新聞に投書された原稿で、優れた内容です。しかし、
には残念ながら載りませんでした。(不採用)
原発は憲法違反であることを具体的にフクシマ事故に即して書かれ
広く皆さんに知っていただきたく、著者の了解を得て掲載します。
★2 話ははっきりさせなければならない。 被曝線量その3
山崎久隆
この間の学校の放射線許容量が大混乱を来している。
ダイヤモンド誌に詳しいが、要は「
いうちに重大放射性物質拡散事故が発生したため、
つ専門家とそういう考えに反対する専門家が時々で報道で、
などで個々が勝手な主張をするため、
る」ことが大きかったということ。
勝手な主張の最たるものは「
ない」というもの。さらに加えて「低線量の放射線は人体に有益」
を付け加えるものさえいる。
実際のところはその1とその2で述べたとおり低線量の放射線はむ
モデルの影響よりも有害性が高い可能性さえある。
ICRPは、ではどう言っているのだろうか。これについても、
きなすり替えをしている場合がある。
ICRP2007年勧告においては、「緊急時被ばく状況」から「
況」という概念を用い、緊急時で逃げ惑うような状況「
一定の落ち着きを取り戻した、事故収束段階に移行し、
の放射性物質による汚染が残った状態を「現存被ばく」という。
では、勧告本文の重要部分を訳してみる。
この項目は、現存被ばくの基準を勧告している部分だ。
------------------------------
ICRP Publication 111
P11
(o) The reference level for the optimisation of protection of people
living in-contaminated areas should be selected in the lower part of
the 1-20 mSv/year band recommended in Publication 103 (ICRP, 2007) for
the management of this category of exposure situations. Past
experience has demonstrated that a typical value used for constraining
the optimisation process in long-term post-accident situations is 1
mSv/year. National authorities may take into account the prevailing
circumstances, and also take advantage of the timing of the overall
rehabilitation programme to adopt intermediate reference levels to
improve the situation progressively.
http://www.icrp.org/
(o) 汚染地区内に生活している人々の防護の最適化のための基準レベル
この被ばく状態の区分に関する管理についてパブリケーション10
射線防護委員会2007)で勧告された1~20mSv/
択されるべきです。
程を拘束するために使われる典型的な値が1mSv/
ています。国の機関は現地の一般的状況を考慮に入れて、
改善するために中間の基準レベルを採用するため全体的な復興計画
定することを採用してもよいです。
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敢えて直訳にしているが、これにより、ICRPは「
になどしていないことが分かる。あくまでも1~20の間で「
いるから、まともに読めば1~10ミリシーベルトに相当する。
の中に10ミリシーベルトを基準にすべきといった人がいたようだ
ICRP勧告をそのまま適用しようと思ったのかもしれない。
10ミリシーベルトを一般居住の基準とし、10~
ては、他の項目から推察するに「個人被ばく管理をしたうえで、
状回復などの特定の作業過程において暫定的に居住を認めても良い
る。
もちろん子供の被ばく基準など、この中では一切言っていない。
このどこをどう読めば「20ミリシーベルトまで許容される」
ICRPの基準さえ逸脱しているのが、今の文科省・
福島原発震災は、まだ終息さえしていない。従って、「
る状況にさえなってない。
もっと厳しい基準を特に乳幼児、子供や妊婦、
適用すべきであろう。
きだろう。
なお、
では無いと考えている。
い状況なので、敢えてICRP勧告の内容解説を試みた。
その3の掲載が遅くなりました。1,2と合わせお読みください。
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