2012年6月12日火曜日

【2.9竪川弾圧事件 東電前アクション!6月12日声明】

(タイトル)これはすべての社会運動・市民に向けた予防弾圧です。園良太さんの一刻も早い解放を!

 2月9日、私たち東電前アクション!の仲間である園良太さんが逮捕されるという事態になりました。

 まず、経緯を説明します。

 園さんは江東区に住む野宿者の排除に反対をしていました。
 これを受けて、江東区土木部・水辺と緑の課は2月9日に現地で野宿者とその支援者と団体交渉を行うと約束しておりました。
 ところが、2月8日に江東区によって抜き打ち的に代執行が強行され、野宿者が公園からの暴力的な排除を受けました。

 そのことに対して翌2月9日江東区役所に抗議に赴いた際、施設内から強制的に排除される過程で意図せずしてガラスを割ってしまい、そのまま『器物損壊』という罪状で逮捕されました。

 しかし、園さんはガラスを破損させたことは認めて、区役所側に弁済しておりますので、当事者間においてはこの件(器物損壊)自体は解決しています。
 それにもかかわらず、検察は園さんを逮捕時の『器物損壊』ではなく『威力業務妨害』という罪名で起訴しました。
 つまり、『江東区役所で抗議行動を行ったこと自体』を『罪』であると定めたわけです。

 このことは、この弾圧事件が一個人に向けられたものではなく、社会運動全体ひいては『全市民に向けられた予防弾圧』であることを示していると私たちは考えます。

 たとえば、昨年の7月12日に玄海原発の再稼働を強行しようとする佐賀県知事に請願書を渡すために佐賀県庁に入った再稼働反対派の住民(俳優の山本太郎さんも参加していました)に対して、職員やガードマンが強硬に排除しようとする事件がありました。
 この事件は広く報道され、市民の声に耳を傾けようとしない佐賀県知事の姿勢があきらかにされることになりました。

 この佐賀での行動は玄海原発の再稼働を現在まで阻んでいる決して小さくない一つの要因だと考えます。
  そして、このことこそが園さんが行った抗議行動という軽微な事件が、『威力業務妨害による起訴』という弾圧事件に発展した大きな要因ではないでしょうか。

 省庁や役所は、本来全市民に開かれたものであり、特定の陳情や請願あるいは傍聴などを警察力によって阻むことはできるものではありません。
 ましてや、全国の原発の立地地域などで再稼働の目論見が推し進められるなかで、昨年の佐賀県庁で起きたようなことが今後全国各地で起きてくるのは必然です。

 だからこそ、政府・警察・検察は、今回の事件を最大限利用して、『集団で役所・省庁に押し掛けること』そのものを犯罪化することを正当化しようと計画しているのではないでしょうか。
 そして、園さんへの起訴状には「ガラスを蹴った」とはあっても「割れた」とは明記していません。
 もはや逮捕の直接の理由であるはずのガラスが割れたなどという事柄は、検察自身も問題にしていないのです。

 どんな社会運動でも役所に請願に行ったり抗議することはありえます。


 たとえば「高層マンション建設反対」のようなどこでも起こりうる住民運動でもいくらでもあることです。
 そのような市民の当然の権利に対して、政府・警察が『弾圧したい時にいつでも弾圧する』という前例を作ろうというのが、この「竪川-園弾圧事件」の本質であると私たちは考えます。

 だからこそ、私たちは『私たちの仲間だから支援してほしい』ということではなく、『これは反原発運動に限ったことでは決してなく、社会運動全体ひいては全市民に向けた予防弾圧』であり、だからこそこの裁判を注目し、支援してほしいと訴えます。

 検察は起訴状を撤回して園良太さんを一刻も早く解放してください!

 そして最後に、今回のすべての事態は、元々は江東区による『凍死者も出かねない真冬に野宿を余儀なくされている人々の住居を破壊し、公園から叩き出そうとしたこと』に端を発していることはいくら強調してもし足りません。
 本当に裁かれるべきは、真冬の野宿者叩き出しという「未必の殺人」を計画した江東区でしょうか、それとも「未必の殺人」を止めようとした園さんなのでしょうか。          

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