2012年4月10日火曜日

【福島第一】東電が2号機の「使用可」とする温度計で100℃平均表示

福島第一の底抜け2号機について、東電が4月2日付で経産省・保安院に提出した文書によると、東電自身が故障していないと認める温度計で2月後半から3月中旬のほぼ一カ月の間、ほぼ100℃を示し続けていたことをあきらかにしています。

■福島第一原子力発電所第1号機、第2号機及び第3号機の原子炉内温度計並びに原子炉格納容器内温度計の信頼性評価について
(平成24年4月提出)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu12_j/images/120402j0101.pdf

↑資料の25pの100℃を示し続けていた原子炉内「TE-2-113D」地点の温度計は<監視に使用可>とのこと。ようするに、野田首相の「冷温停止状態-収束宣言」の「原子炉の安定的冷却⇒80℃以下での安定」という定義から完全に破たんしているし、2月の「温度計故障」という発表も眉唾…というより完全に虚偽発表であった見なすべきでしょう。

いまさら言うまでもなく、「冷温停止状態-収束宣言」は政府にとって再稼働のための大きなステップであるのは間違いないので、この「温度計問題」の虚偽もどんどんあきらかにして「収束宣言」を撤回させることも必要かと思います。ましてや、「宣言」が福島第一周辺地域の人々を帰郷させる最大の根拠になっているということを考えれば。。。

それはそうと、2号機は水が60cmしかないということで、燃料がどこにあるのか・どれくらい地下を侵食しているのか、推測も語られないのもおかしな話です。国会でもマスコミでも追及されないのでしょうか?あるいは、東電自身が発表している「壊れていない温度計で100℃」(したがって「収束宣言」は破たんしている)ということ自体が、ほんとうだったら各新聞の一面を飾るべき重要時であるはずです。

2号機の炉内でここまで水が減ったのは温度上昇時に燃料が炉を溶かしたことと、ホウ酸3t投入で炉の劣化・腐食が進行した結果であることも間違いないと思われます。また、4月4日には水素爆発を阻止するための窒素投入が全基で一時途絶しています。現在2号機は70シーベルト以上の線量で、人はおろかちょっとした精密機械すら投入できない状態であること容易に推測できます。最近になって4号機の危機的状況はかなり広く認知され語られるようになっていますが、あるいは2号機、同様の状態にある1号機もまた常に危機的状況にあるということです。

3.11直後に「4号機がダウンして東日本壊滅」というシナリオが政府内で現実味を帯びていたことがマスコミでも報道されていますが、「避難の権利」は福島の人々のみならず東日本で生活する者にとって他人事ではありません。そして、「事実を知らせろ」という要求は依然として重要だということだと私たちは考えます。          

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